通常私たちが使用しているプリプレグにはカーボンファイバーに熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂が含侵されています。
FRPは2つ以上の素材を組み合わせた複合材料(コンポジット)で、プラスチックを母材とし、
そこに繊維を強化材として加えることで、それぞれの不得意な特性を補い合い
プラスチックの軽量で高い成形自由度といった特徴に加え、繊維のもつ高剛性・高強度な特性も
併せ持たせることが可能です。
私たちが材料として使用しているカーボンプリプレグにはエポキシ樹脂がBステージと言われている
半硬化状態で炭素繊維に含侵されています。常温ですとエポキシ樹脂の硬化が促進されて
使い物にならなくなってしまうので普段はマイナス18℃以下で冷凍保存しています。
このエポキシ樹脂その物の適用範囲は下記に示した特性によりCFRP以外多岐にわたります。
耐熱性…分子構造が三次元ネットワークになっているため高温に耐えられます。
接着性…接着性が高く、コンクリート・ガラス・陶磁器・石材は十分な強度で接着できます。
特に、軽金属に対しては強力な接着力があり、リベットによる接合よりも大きな強度を得ることができます。
このような、優れた特性からエポキシ樹脂接着剤は工業用接着剤として様々な分野の製品組立の接着材として
航空機・鉄道車両・自動車になどに使用されています。
機械的強度…主剤・硬化剤の組み合わせにより強靭性を高くし、軽量で高強度が必要とされる
炭素繊維複合材量(CFRP)用途に使用できます。
電気絶縁性…プリント回路基板や電気を通さないため絶縁体として使用できます。
寸法安定性…硬化時に収縮しにくいので、寸法精度の高いパーツに使用できます。
耐薬品性・耐水性・耐湿性…分子構造が三次元ネットワーク構造を形成しているため、どんな溶媒でも溶けないので、
飲料缶の塗装・船舶塗装・コンクリート用途などに使用する他、コーティング材料として
食品加工工場や病院の手術室などにも使われています。
普段は炭素繊維ばかり注目されがちですがエポキシ樹脂もこのように超優秀な特性を持っています。
樹脂単体でも超優秀な特性のエポキシ樹脂は繊維単体で最強のカーボンファイバーと巡り逢って
CFRPが誕生したのですね。